ペットフード安全法と表示基準
世界で初めてペットフードが販売されたのが、1860年のイギリスでした。
その後アメリカに渡り、ペットフードは本格的なビジネスとして大きな市場を形成して行きました。
日本では、100年後の1960年にペットフードが販売され、1969年には「ドッグフード工業会(後のペットフード工業会)」が設立されています。
しかし、業界内でのルールはあっても法的な基準がなく、粗悪なペットフードが流通していたのも事実でした。
このような状況が続く中、アメリカで有害物質が混入したペットフードにより多くの犬猫に健康被害が多発したのを契機に、平成21年6月にペットの健康を害するペットフードの製造や販売、輸入を禁止する法律「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」が施行されました。
ペットフード安全法は、「ペットフードの安全性の確保を図り、ペットの健康を保護し、動物の愛護に寄与する」ことを目的に、ペットフードの製造業や販売業者、輸入業者に対して、責務や罰則を規定し、販売用ペットフードの成分や製造方法、表示に対して基準を決めています。
成分規格では、「添加物」「農薬」「汚染物質」などの物質の比率が規定され、製造方法では、有害物質を含む原材料の使用が禁止され、微生物を除去することが義務付けられています。
さらに、消費者に商品内容がわかるように、表示の基準が義務付けられました。
表示基準は、以下の5項目です。
- 販売用ペットフードの名称(犬用又は猫用)
- 原材料名(原則的に添加物を含む全ての原材料を表示)
- 賞味期限
- 事業者の氏名又は名称及び住所
- 原産国名(最終加工工程を完了した国)
ペットフードに対する基準が設定されたことで、愛犬の健康被害を及ぼすような粗悪なドッグフードは少なくなっています。
しかし、欧米の基準と比べると、まだまだ甘い部分もあり、より厳格な基準が求められています。